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隠れ家
バサバサ、バサ。
スズメはいつも立ち寄っている贔屓の場所にやって来た。晴れている日は窓が開き、部屋の出入りが自由だ。大きな盆栽、豪華な花瓶の花、観葉植物が置かれている部屋。
「よし、この盆栽に植えよう。ここは冬も暖かいからよく育つはずだ」
スズメは桜の枝を棚の上に置かれた豪華な松の盆栽の土に挿した。松と花の咲いた桜が共存する不思議な盆栽となった。
「これで良いかな」
キンコ〜ン、カンコ〜ン。チャイムが鳴り響く。
「そろそろ、来る時間だな。ついでに食べ物をもらって帰ろう」
ガラガラガラ。扉が開くと部屋に恰幅の良い男が入ってきた。スズメは盆栽の脇でじっとしている。部屋にやって来た人物はスズメのほうを見つめていた。
数日後、あの桜の木の庭には複数の重機が入っていた。そして、すでにその場所に桜はなくなっていた。
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