エピローグ

1/1
前へ
/5ページ
次へ

エピローグ

大きな桜が植えられた学校の脇を品のある、綺麗なおばあさんが歩いていた。 すると、おばあさんは校庭で桜を眺めていた体格の良い、頭の薄い男に話しかけられた。 「桜子(さくらこ)さん!」 「あら、光男(みつお)さんじゃない?」 「散歩ですか?」 「ええ、ちょっとお買い物に」 「やっぱりこの桜は良いですね」 「そうね。広い場所にあると一層映えるわ」 そのとき、桜の木からスズメがバサバサ、バサと飛び立った。 桜の木はあの古い家から近くの小学校に移植された。叡智の象徴として、桜は何十年にも渡って人々を見守ることになるのだった。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加