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絵画の前に立つ二人……。
「俺、小さな夢が現実となって、
そして、大きな夢が叶った瞬間に
その向こうに何をみるのだろうって
ずっと考えてたんだ」
「で、その答えは見つかったの?」
「ああ、今この絵を見た瞬間に……見つかった」
額縁に収められた一枚の油絵には……。
窓の向こうに微かに見える
通り沿いのビルの断片を背景に、
頬杖をついた数年前の彼が描かれており、
彼の澄んだ瞳がとても印象的である……。
繊細に描かれた彼の瞳には何かが映し出されて
いるようにも見えた。
「俺の瞳の向こうには……
これから俺が新たに切り開いていく未来が
映し出されているんだよな……そうだろ?」
彼がそう呟くと、彼女は無言で頷いた。
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