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新しい家族と学校と
「ただいまー!ささ、えっと名前聞いてなかったね」
──そういえば言ってなかった。
「河野悟」
「よし、河野くんリビングに行こう!」
そう言って、リビングに向かう彼女の後についていく──。
リビングのドアを開けると、ほのかにスパイスの香りがする。どうやら星野家の今日の夕飯はカレーみたいだ。
「由紀、今日は遅かったじゃないまた転移に失敗し──あらお隣の子は?」
30代くらいの女性が、カレーの並んだテーブルに腰掛けている。
「この子はわたしが転移先で拾ってきた河野くん。帰る場所がなくなったみたいだから」
母親らしき女性が僕を見て、少し驚きと困惑の表情を浮かべて言った。
「河野さん──あなたこの世界の人じゃないでしょう。本当に戻らなくていいの?」
僕はうなづく
「はい、戻っても帰る場所がないので」
「でも・・・・」
まだ困惑の表情を浮かべて、なにか言おうとする母親をさえぎって、彼女は僕の手を取り席に連れて行く。
「いいから、お母さん、河野くんの分のカレー出してあげて」
母親は席を立ち僕の分のカレーを盛りに行く。
「由紀、このことはお父さんにはあとで電話で伝えておきますからね」
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