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「お兄ちゃん!!綺晶、お兄ちゃんのお弁当が食べたい!!」
と、目を輝かせて僕にせがんだ。
「これ!!綺晶ちゃん!!」
母親は慌てて綺晶ちゃんをたしなめた。
だが綺晶ちゃんは黙らない。
「綺晶の団子あげるから、お兄ちゃんのお弁当、ちょうだい!」
「これ!!!綺晶ちゃん!!駄目でしょ?!」
「あ、いや……お母さん。僕はいいですよ?」
僕は綺晶ちゃんの無鉄砲さにクククと笑いながら、お母さんにそう言った。
「何から何まで……本当にすみません」
「いえいえ」
綺晶ちゃんは更にヨダレを垂らし、まるで子犬のような状態。
僕はまたもや、クククと笑いながら自分の弁当箱を綺晶ちゃんに差し出した。
すると待ってたとばかりに綺晶ちゃんは僕の弁当箱をもぎ取り、三色団子を僕に押し付けると貪って、僕の弁当を食べだした。
「この子ったら!!」
綺晶ちゃんのお母さんは冷や汗をかきながら何度も、僕に謝ってきた。
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