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羽鳥家勢揃い
日曜の朝
本来ならのんびりと過ごす時間にも拘わらず、今日に限ってはそうもいかない。
キッチンで母が忙しなく動き回っている傍ら、リビングのソファーに陣取り新聞に目を通している父。
通常ならリラックスしている父も今日ばかりは顔が強張っているように見える。
心なしか新聞を持つ手が小刻みに震えている気がする。
テーブルを挟んで向かい側では、一番上の兄がノートパソコンの画面を睨みながら持ち帰りの仕事をしている。
いつもならたわいもない会話をしている二人だけど、今日は何故か無言。
「凪、ちょっと手伝って」
「えっ……あ、うん」
母に頼まれてキッチンに立つ私も、胸の辺りがざわざわと落ち着かない。
家中を緊張が支配していた。
「テーブル拭いといてくれる?」
「うん」
母が時計を見上げた。
「もうすぐ時間ね」
その言葉に父と兄がピクリと反応する。
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