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「ずっと待ってたから体冷えちゃった……ショウに温めて欲しいな…」
ねっとりとした甘えた声を出して、女が馴れ馴れしく腕を絡めてくる。
それをすぐに抜き取り、距離を取った。
「さっき連れてた人に頼めばいいんじゃない?」
女の頬が膨らむ。
「えぇ~?無理。あいつケチだし、いちいち恩着せがましいし〜」
女が「だからね?」と上目遣いに言いながら再度俺に腕を絡めようと近付いてくる。
「ショウとやり直したいな……って」
予感は的中。
面倒臭い事になった。
「あたしショウから言われた事、ずっと根に持ってるんだぁ」
「あーそう……俺、キミに何か言ったっけ?」
「喘ぎ声が煩くてイキ顔ブス過ぎて萎えるって言ってた。あの時はそうだったかもしれないけど、今なら絶対ショウを満足させられるよ」
この台詞に覚えがあった。
確か、凪と付き合う前にテキトーに遊んだ女に言ったような気がする。
「てかさ、端から付き合ってなかったじゃん?」
一度寝ただけで彼女面とか図々しいにも程がある。
その前に、俺の名前って実はショウじゃないのよ。
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