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「あの時は地獄に堕ちろなんて酷い事言ってごめんね。反省してる」
体をくねらせながらしおらしく言う女。
「別に?気にしてないっつーか、今の今まですっかり忘れてたし」
「本当?許してくれる?なら私もショウの顔に免じて、あの時の暴言を許してあげる」
女が気色悪い笑顔で迫ってくる。
「やっぱりショウの顔好きだなぁ。ずっと見てられるもん」
「………顔ね…」
どう切り抜けようか頭を抱えていると、店の裏口のドアが開いた音がした。
「話し声が聞こえるかと思ったら……まだ帰ってなかったのか?」
振り返れば、そこにはかなでっちゃんが怪訝な表情で立っている。
俺と女を交互に見て瞬時に何かを察したらしい彼は、ニィっと口角を引き上げた。
この状況は確実に誤解を生む。
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