271人が本棚に入れています
本棚に追加
マズったな……と思いながらも丁度良い言い訳も浮かばず、俺は苦い笑みを浮かべるのみ。
「お嬢さん、俺の義弟と何かトラブルですか?」
かなでっちゃんがわざと義弟の部分を強調して言った。
それに少し驚いたものの、助け舟を出してくれているのを察知して黙っておいた。
「え……義弟?」
「彼、俺の妹の大事な婿殿だから」
女が目を丸くする。
「嘘!ショウ結婚したの?!」
馬鹿にデカい声で叫ぶ女。
かなでっちゃんが「……へぇ…ショウね」と意味ありげに微笑んで呟く。
「ウソウソウソ!!アンタみたいな顔だけのクズが結婚?!有り得ないでしょ!」
凄い勢いで詰め寄ってくる女に圧倒されつつも、かなでっちゃんの芝居に乗る事にした。
「そ、顔だけのクズな俺を丸ごと愛してくれる女神のようなコと結婚したのよ」
にっこり笑って「だから」と付け加える。
「さっさと失せな?そのブスい面、二度と見たくないのよ」
女の顔が見る見る歪んでいく。
最初のコメントを投稿しよう!