271人が本棚に入れています
本棚に追加
「い、言われなくても二度と来ねーよ!クソがっ!!」
捨て台詞と共に駆け出したかと思うと、立ち止まって振り返る。
「この店のレビュー、めちゃくちゃにこき下ろしてやる!!」
走り去る背中に愛想で手を振ると、かなでっちゃんがボヤく。
「え、ウチの店関係なくない?飛んだとばっちりなんですケドー…」
そんなかなでっちゃんに「ありがとね」と礼を言った。
「助かったけど、まだ義弟じゃないし」
義弟の響きに少し照れ臭さを感じる俺にかなでっちゃんは小首を傾げて言う。
「ん?時間の問題だろ」
「まぁ……そうかもしれないけど、パパ上がうるさいじゃん?」
投げ遣りな俺の言葉を聞いて、かなでっちゃんが吹き出す。
「俺と禅兄と母さんは、お前を既に家族として認めてるよ。もしあの親父が反対するようなら、3人で捻じ伏せるから心配すんな」
「かなでっちゃん…」
ドヤるかなでっちゃんに感激していると、彼は俺の肩をポンと叩いた。
「凪には黙っておいてやるよ」
最初のコメントを投稿しよう!