茶太郎

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「ど、同棲だとっ?!」 リビングに父の大声が響く。 「貴様、自分が何を言っているか―――…」 「分かっていますよ、ちゃんと」 クリスマス前の時と同じ台詞を言おうとした父を遮って口を挟んだ遼くん。 前回の時はニコニコしていた彼だったけれど、今日は笑顔なしの真剣な表情をしている。 「副社長にとって大切な娘さんだというのは重々承知しています。ですが、僕にとっても凪さんが大切な存在だという事をご理解願います」 きっちりスーツを着込んで丁寧にセットされた髪から彼の本気を感じる。 「凪さんと結婚させてください。その上で、入籍までの間の同棲を許可してください」 今日は父と母だけで兄達は同席していない。 代わりに… 「くわぁふっ……ふすー…」 少し前から両親が飼い始めた柴犬の茶太郎が退屈そうに伸びをしながら参加している。
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