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テーブルに座っていた彼が、いつもとは違う髪型で、一瞬誰か分からない程にスマートで爽やかな印象があった。 私の反応に一つ一つ笑って答えてくれる姿を見て、その笑顔を向けれる度に胸が高鳴って、つい視線を逸してしまうし、早口言葉にもなってしまった。 でも彼は、ちゃんと聞いてくれていた。 小さい頃に、幼い私の言葉なんて殆ど理解されないだろうけど… それでも耳を傾けて、真っ直ぐ見詰めてくる日々を思い出したから、小さい頃の話が盛り上がってしまったんだ。 そして、話してる内に… 去り際に約束した、お嫁になる。と言う内容も思い出したから… 彼がずっと、結婚前提にと言って意味が分かったんだ。 変わらないのは彼で、変わってしまったのは私。 けれど、昔と…いや、それ以上に大切にしてくれてるのは、今日だけで十分によく分かる。 「( 手が震えてる… )」 お互いに好きだと言って、全身で彼を…オスを求めたい気持ちがあるのに、当の本人は頬に触れる手が僅かに震えていた。 「( 大丈夫だよ、私は…受け入れるから… )」 アルファが欲に溺れると、理性が無くなるのを… 色んな話で耳にしてる。 だから、あの時に覚悟して欲しいと言われてから、調べ直して、覚悟を持ってここに来てる。 だから、大丈夫…。 そう言うように、大きな角張った手の甲に、自分の掌を当てて、頬を擦り寄せると彼は静かに呼吸を詰めた。 「 キス…する、タイミングじゃない? 」 私から言うのも可笑しいと思うけど、何となくそんな雰囲気があったから待っていたから問うと、彼は撫でていた手を止めて、眉を寄せた。 「 キスしたら…多分歯止め効かなくなる…。列車の中だから…嫌だろうし。予定では…3日目に泊まる、リゾートホテルで、って考えていた… 」 「 我慢出来そう? 」 手を離してしまった彼に、態と胸元に手を置きそのまま首へと腕を回せば、彼は尚の事強張ってしまった。 「 っ……。御前の…フェロモンで、理性が砕けそうなんだ…。発情(ラット)…起こしてるから、止めてほしい 」 アルファの発情をラットと言う…。 その意味は余り知らないけど、普段飲んでる薬が意味ない程に、自分には感じない匂いが彼の本能を刺激するのだろう。 それは…私も同じ…。 ずっと香水かと思っていた甘い匂いは、今はもっと色濃く香る。 それがまるでお酒のように、頭を溶かしていく感じがするんだ。 「 ん…。私も、多分…発情(ヒート)してるよ?初めてだからよく分からないけど、なんか…ウズウズするし…雌猫になった気分 」 「 はぁ…く、そ……可愛い 」 肩口へと顔を埋め、背中を抱き締めてきた彼に、こうして触りたかった…触れて欲しかったと本能が教えてくれる。 腕を回した手を、頭に当てて撫でては頬を擦り寄せた。 「 項に噛みたい? 」 「 噛みたい…。だが、痛いかもしれない… 」 「 いいよ…。大丈夫だから… 」 顔の横で伝えると、彼は深く息を吐き顔を持ち上げ、そっと首筋に触れた。 「 …なーちゃん…俺の、お嫁さんになってくれるか? 」 「 結婚前提だから、いいよ…。まーくんのお嫁さんであり…番にさせて…。あ、でも…浮気はしないでね? 」 「 …絶対にしない。そんな事をしたら、俺は御前を苦しめる前に…死んでやる 」 相変わらず、一途だなぁーと思っていると、彼はもう一度顔を寄せてきた。 さっきは未遂だったけど、次は如何かなと思ってそっと目を閉じる。 首筋に触れていた手に、ほんの僅かに力が篭ったけれど、首を絞めることもなく優しく添えられる程度に触れ直した。 其の瞬間、唇へと触れる感触に気付き… 離れると同時に瞼を持ち上げた。 彼もまた閉じていた瞼を開け、唇に落としていた視線を私の方へとやると、その口角は上がる。 「 ……あぁ、好きだ… 」 「 うん…私も、好きだよ… 」 御互いに、ずっとこうしたかった…。 それが明確に分かることが嬉しくなり、2度目のキスはさっきよりも深くて、押し付けるように口付けていた。 触れ合えなかった時間を埋めるように、何度も何度も角度を変えて口付けを交わす。 「 はぁ、まーくん…… 」 「 ん…なーちゃん…… 」  呼吸の合間に御互いを呼ぶと、身体の熱は一気に駆け上がる。 薄っすらと開いた唇から、彼の舌先が割り入って来ると、少し困惑しながらも受け入れるように舌先を舐めて、絡ませる。 御互いに不器用だけど、何度かやってるとコツが掴めてきて、幾度と無く甘い水音を立て、舌先を擦り合わせる。 重なる息が、心音が、全て一つになったような感覚に、その更に奥を求めたくなるんだ。 「 んぅ、はぁ…… 」 「 フー……はー……本当はすげぇ優しくしたいんだ。だが、…無理だ。めちゃくちゃに抱きたい 」 少し乱暴にベッドに押し倒され、発情(ラット)に入った彼は、片手でネクタイを緩めて早々に外せば、熱いのかシャツをはだけさせた。 引き締まってシックスパックのある筋肉質な体は、正にアルファらしくて、お腹の下がきゅっと締まるような感覚を感じる。 「 ぅん、いいよ…。まーくんの…全部、頂戴 」 背中に感じる汗の様な感覚が、私自身も興奮してるのだと理解させてくれる。 恥じらいがあったはずなのに、今はその身体が欲しくて仕方ない。 ベルトの金具を外した彼は、軽くズボンの前を緩めて、私の方へと被さり、もう一度深く口付けを落とした。 「 んっ、ン…は、っ…… 」 「 は、ふっ…… 」 飲み切れない唾液が口端から垂れて、それを丁寧に舐め取った彼は、頬へと唇を押し当てる。 少し顔を背けると首筋へと口付けは落ちていき、背中に回した手がファスナーを下げるのに合わせ、ドレスは簡単に腰まで下がった。 D程度の小振りな胸を気にすることなく、彼は鎖骨やら胸元に口付けを落とし、左側の胸に手を掛けると言葉よりも優しく触れてくる。 「 ッ、はぁ、ぁ、は…… 」 媚薬でも使ったのかと思う程の感覚に、僅かに震えながら感覚に息を吐いていると、彼は右の方へと顔を寄せ、胸の先へと舌先を当てる。 「 んっ、ン…!ッ…… 」 じんわりとお腹の下が感じるような感覚に、如何したらいいか分からずにいると、胸の小さめの桜色の尖りへと吸われ、歯で噛まれた。 「 ッ〜!ぁ、あ、っ、ンぅ、ん… 」 腰が跳ねるような感覚に少し戸惑ってしまえば、反応が良かったのに気付いたらしく、何度か吸われたり甘噛みされるし、反対側は似たように先端を摘んで捏ねくり回される。 ピンっと立って主張する胸を、沢山可愛がられると物足りなさを感じてくる、スカートの中で膝を擦り寄せていると、 彼の手は下がっていたドレスに掛かり、簡単に太腿から足の先まで外され、横へと置かれた。 「 ふ、可愛い…… 」 「 あんま、見ないで…… 」 ブラは着けて無いのに、下着は使用人さん達が選んだもの。 白いレースのガーターベルト。 こんな布面積が狭いのを履く機会が殆ど無いから、恥ずかしくて顔を背けてると彼の手はガーターベルトに繋がったストッキングの隙間に指を埋め、臍やお腹周りに口付けを落とすから、変な感覚がする。 「 っ、うっ…、なに、!?…ぁ、っ…! 」 「 なーちゃんの子宮が、反応してる…雄が欲しいって 」 「 そ、そんな…… 」   敢えて言わなくても…と思い、恥ずかしくて顔の熱が上がっていると、彼は白い下着の上から割れ目をなぞった。 「 ひっ……ッ!? 」 「 濡れてる…。意味ない程に… 」 「 ッ…ッ!ん、ン……! 」 割れ目を優しく触る感覚に腰が何度も痙攣するように、震えてしまう。 「 見せてくれ 」 「 ぁ、っ…… 」 ショーツを外されると、残すのはガーターベルトだけ。 其れがまた恥ずかしいのに、明かりがついた室内で、彼は私の姿を眺めては深く息を吐く。 「 本当、綺麗だ… 」 「 っ〜…… 」 まだ少し、肌に赤い斑点が残る場所もあるのに… 其れでも綺麗だと言ってくれるのが、胸に響く。 御世辞にも嬉しいから、僅かに泣きそうになって鼻先が痛む感覚を押さえては告げる。 「 狐塚さんや…まーくんが、薬をくれたお陰だよ… 」 「 其れでも前より掻かないように我慢してるのは、なーちゃんだろ?俺達はきっかけを与えたに過ぎない。よく頑張ってる 」 口元に置こうとした手を取られ、指先へと口付けられる。 彼に会う度にやり変えてるネイルもきっと知ってるはず。 綺麗なのは、どっちの方だと思っていれば… 熱い呼吸を吐き、赤い舌先は指先を舐めて咥内へと入れた。 「 っ……!? 」 とろっとした唾液が触れるのに気付くも、ある程度舐めていた彼は、態と唾液を付けるように口をから外す。 明かりで光る人差し指と中指を眺めると、彼は軽く首を傾げる。 「 ほら、濡らしてくれ。それともひとりでもしないか? 」 「 ぁ、する……けど… 」 まさか、その為とは思わなくてちょっと戸惑うも、 確かに最初は自分でやった方がいいのかもと思い、髪色と同じ陰毛が僅かに生えた割れ目の上に触れてから、膣口と擦り付ける。 本当に濡れてる……それが、恥ずかしいのに、何処か見せつけるように自分で中指を入れて、卑劣な音を当てると、彼は顔を下げた。 「 ぁ、ふぁ、ッ、アッ……! 」 彼の舌は陰毛を舐めて、そのまま割れ目の上側に当たる。 その感覚に腰が震え、中から指を抜けば代わりに彼の舌先が膣口へと触れ、ゆっくりと入って来た。 「 ッ!ぁ、んぅ…… 」 甘い感覚に視界がボヤけ、太腿に当たる頭に手を当てると、優しく何度も舌が抜き差しを繰り返して、狭い中を濡らしていく。 「 ぅ、う……あッ……、ぁ…それ、すきっ、んぁ…! 」 本来なら偉い人なのに……。 下品な事をしてるって事だけに興奮するのかも知れない…。 それよりも単純に、好きな人が…舐めてくれる感覚が全身の欲を一気に拍車を掛けるのだと思った。 「 はぁ、ぁ、あっ…ぁ、ッ…! 」 濡れた親指の腹で優しく小さなクリを触れて、時折舌先で舐められたり、息が吹きかかるのが分かる。 その度に奥から愛蜜が溢れ、彼はそれを舐めたり吸って飲み呑んでいく。 「 ッ〜!!ぁ、あっ……! 」 知らず知らずに達して、頭が朦朧としながら身体を震わせていると、舌先は変わらず動く。 長い事舐められた後に舌とは違う硬いものが、ゆっくりと埋まって、膣内の肉壁を擦る感覚に、だらしなく股を開いたまま、腰を引いたり浮かせて快楽に震える。 「 んぅ、んっ、ぁ、あっ……ァ、はッ…んぅ… 」 「 中指だけで狭いな…。ふ、可愛い… 」 耳に届く言葉に、申し訳無く思うけど… 傷付けないようにしてくれてるのが嬉しくて、微かに笑みが浮かぶ。 「 はぁ、ぁ、あっ……ッ、ぁ、あっ…! 」 「( あぁ、ココな… )」 指を曲げたような彼が、ザラついて凹んだ場所を見つけると、重点的に擦る感覚に腰は捻り、身体は動く。 それを止めるように片脚と手で押さえつけられると、逃げ切れない快楽に悲鳴が上がる。 「 う"っ、ぐ、だ、めっ、ぁ、あっ…あ"ぁ、っ!! 」 可愛気の無い声が漏れて、子宮が震える感覚がすれば指をぎゅっと締め付けて、深く達してしまう。 「 はぁ、は…… 」 熱い呼吸をしていると、彼は指を抜き濡れたそれを舐めてから、太腿に触れる。 「 ゴム持ってくる…待っててな 」 「 はぁ、んぅ……… 」 半分聞こえて無いけれど、何となく察すれば彼は、カバンを探って、持って来ていたものを探す…。 「 あ、れ……確かにここに入れたはずだが……ん?? 」 広いベッドの端っこで、急にカバンをひっくり返した様子を見ると、ちょっと笑えてきた。 「 まーくんが、忘れ物するなんて…やっぱり人間だね。完璧じゃない… 」 「 この俺が?ありえない…… 」 カバンの周りにあるファスナーやポケットすら全部開けて、明かりの下で全部確認したけど、箱は無かったらしい。 本当にショックなのだろう、ベッドに顔を突っ伏して落ち込んでいた。 「 流石、童貞……ローションも何もかも忘れてやがる……。ポーチがない。……ほんと最悪、最低… 」 「( 可愛い…… )」 溜息を吐く様子を、身体を横にして眺めていた。 たまに可愛ところあるよね、まーくん。
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