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さて、今から楽しみだ。止まりかけた時計がゼンマイを改めて巻かれた気分だ。
朝五時の世界、時間を止め、銀の扉を開け、投函する。彼に届くのは何日後だろうか、送った日の事は忘れていないだろうか?
真実を知っているのは朝に鳴くフクロウだけだから。
手紙が送られてきた。差出人は、椎名-英治だった。封ごと、水を張った小机に浮かべると、文字と紙とが乖離した。
綺麗だな、とツマラナイ感想を浮かべていたら、文字は消えた。掻き混ぜたら滞った。
手紙の内容は、この世から、消えたけど、僕は形が残るようデジタルのメッセージを送った。だから悪くない。
当日まで彼の是非は分からないのか、と呟けば青空が広がり、オフ会当日は目の前だった。
"椎名英治"…。私はその名前を知っている。年齢にそぐわない白髪混じりの頭皮を、鼈甲の眼鏡の中の虚ろな目を、長い胴体の切れ端の香りを!
「知っている。知っているぞ…椎名-英治!だがお前は私を知らない。私はお前を一方的に知っているし、恨んでいる。勝ったのは私だ!」
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