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それでも働いて母を少しでも休ませてあげればよかった
気づかなくてごめんなさい……後悔しても遅いけれど
母が亡くなりしばらくすると、知らない人が迎えに来た。
父親の遣いだと名乗るその人が言うには、母は以前勤めていたお屋敷の主に見初められ、私を身籠ったと。
そのことが知れて奥様は激怒。
母は身重の体で屋敷を追い出されたのだそうだ。
そのお屋敷の主が私の父親だと。
母の訃報をどこから知ったのか、父親が私を引き取りたいと言っているから一緒に来て欲しいと。
その時の幼い自分の行動を思い出すと後悔するばかり。
どうしてなんのためらいもなくついて行ってしまったのか。
知らない人に付いていってはいけないと言われていたのに。
その方に連れられて、このお屋敷に来たときはあまりの広さ、豪華さに驚いた。今までの家とは比べ物にならなかったから
目を輝かせて興奮する私の心を打ち砕いたのは、初めて対面する父親の一言だった。
「お前はここで死ぬまで働くのだ。まずは躾が必要だな。」
部屋を出て行ってすぐに戻って来た父の手には、鞭が握られていた
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