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「…グレッグ様? 地面ではなくどうか隣に座られてください」
ソフィアは慌ててグレッグを立ち上がらせようと手を差しのべると、
グレッグはその手を取るものの、依然立ち上がらない
「ソフィア、今日は辛い一日だったと思う
最悪な気分のまま、ソフィアを帰したくはない
少しは気分が晴れるといいのだが……
これを、ソフィアに」
ソフィアの手を放すと、片膝をついた状態で、両手で花束を持ち上げるように差し出す
「きれい……こんなに沢山の素敵な花を頂いていいのですか?
ありがとう……ございます。グレッグ様。
青い薔薇を見たのは初めてかもしれません。
とてもきれいですね」
「あぁ」
グレッグを見下ろす体勢となっているソフィアは、ベンチから滑り落ちるようにグレッグに抱きついていた
「…ソフィア……本当は999本渡したかった……私の気持ちを込めたつもりだ
ソフィア、愛してる」
「きゃっ、グレッグ様」
グレッグはソフィアに抱きつかれたままソフィアを持ち上げるように立ち上がり、柔和な笑みを浮かべる
そして地面にゆっくりと降ろす
その瞬間
パチパチパチパチと周囲から拍手が沸き起こる
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