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「グレッグ様、み、みんなに見られています」
恥ずかしさのあまり顔全体が真っ赤に染まる
あのような体勢で、花束を渡していたので、プロポーズが成功したと思われているのかもしれない。
「ソフィア、今日あったことは少しは忘れられそうか?」
「……こ、こんなに嬉しいことは、きっと一生忘れられません!」
嬉し涙が溢れそうなソフィアの目元に、グレッグがちゅっと口づけを落とす
「ソフィアの涙も私だけのものだ」
「グレッグ様、何を…言って…」
顔を逸らそうとしたところを、そうさせまいとグレッグの両手が頬に添えられる
「ソフィア…」
いつも穏やかなグレッグ様の瞳が、荒々しい熱情の炎に揺れている
周囲の目など気にならないくらいに、
その瞳に囚われて
ソフィアはそっと瞼を閉じた
柔らかな感触が唇に触れる
唇が離れたかと思うと強く抱きしめられた
「ソフィア、今日は…
泊まってもいいだろうか。 ソフィアを一人にしたくない」
耳元で囁くように声をかけるグレッグに、
ソフィアは黙ってコクリと頷いた
ほんの少しだけど、グレッグ様はずるいと思ってしまう
そんなことを言われて、断れる訳なんてないのに
でも、どんな時でも私の気持ちを慮ってくれる優しい人
「三日月亭に帰ろう、ソフィア」
祝福の拍手の音に包まれて、
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