意志薄弱の為失敗するのか？

真実は変えられない。枢軸が決まれば、それは盤石の布陣の糧になる。「湾曲している。覇魔巣そのものがお前の人格でしかないだろう？俺は…俺はそうはならない！」そして、俺は夜霧を抜いた。「くっ…ニャッシャめ。夜霧まで通したか。仕方あるまい…。」井家田正春も帯刀する刀を抜いた。しかし、刃が無い。無刀…。いや、それならば何故、鞘に収まっていたのか。これは…。「龍鎖（りゅうさ）…。御法度斬りの妖刀。馬鹿な…俺はお終いだ。」龍鎖を眼前に俺は我が死を悟った。「あっははっ！どうせ刃が見えないからだろう…。いつものようにやれば勝てる。そう思うしかない。皆そう言うんだ。」死に装束の様な桔梗に染まった袈裟。それに浮かぶ井家田正春の表情は俺を射殺さんばかりであった。