春眠暁を覚えず

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酔いの回った頭で明美は考える。 例えば転生アニメで女子高生(しかもとびきり可愛い)になったら自分はそこで何をしてる?何がしたい? 「おばさーん、まだー?早くしないとあたし朝には消えちゃうよー?」 「えーっ!朝まで?!聞いてないよー!」 「言ってないもん」 あたしの幻はあたしに似て?いい性格をしているようだ。ならば… 「はい、質問があります!」 「はい、どうぞ〜。」 「なんでもひとつ叶うなら朝までに願えばそれは半永久的に叶い続けるのでしょうか?」 「例えば?」 「世界平和とか」 「はい却下。さすがにサクラにそれは無理でしょ。考えたらわかるよね普通。他は?」 「くっ…じゃあ、あなたの姿をわたしに投影してください!若くてぴちぴちで(だいぶ盛れてるけど)一応わたしなんだし、整形大成功しました〜!でいけなくはないかしら…だめ?」 「そんなこと?なら余裕でしょ。」 「まじか!?」 「ただしその場合は朝までには元に戻るけどね。」 「えぇ…朝まで?けちぃ…」 うーん。どうしたものか。 自分に見合った分相応の願いというのは案外すぐには思いつかないものだな。 身近で叶ったら嬉しいことは例えば…近所の害虫一掃とか?あとは上の階の騒音を無くしてもらう?はたまた旦那の寝っ屁を…いやそれは別にいいか。 どれも叶ったらいいけどそんなのに使うのはかなりもったいないな。 それならば…いっそ。 「よし、決めた。」
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