事故の真相

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 私に別れを告げた竜輝は、一ヶ月以内に出て行ってくれと命令してきた。その指令だけを残して、竜輝は部屋を出て行った。外に出たようだ。泣いてすがる私になんて目もくれなかった。  どうにか話し合えないか、そう思って玄関に向かった私は、扉を開ける前にピタッと停止した。 「うん。あいつは追い出したからさ、アニバーサリーで生放送やろうよ」  ……何のこと? 「登録者十万人記念も兼ねてさ。やっと美華とずっと一緒にいられるよ!」  ドアノブを握る私の手が、ガタガタと震えている。 「あいつ? あいつは地味だしさー。女にしてはそこそこ金稼ぐから置いといたけど、今じゃ美華と撮ってる動画の方が金にもなるし! もう用無しだよ、あいつは!」  私は急いでその場を離れた。布団を被ってわんわん泣いた。長い長い夜は永遠に明けないのかと思った。カーテンが朝の光を透かしても、竜輝の影を映すことはなかった。美華という女のところに行ったんだろう。  ただ別れてやるだけじゃ気が晴れない。  一泡吹かせてやる。  私がここを出ていく時に、特大の爆弾を残してやる。……  *  スマホの向こうで絶叫するカップルを、アパートの一室で、私は笑いながら見守ってあげる。未開封の段ボールに囲まれて、私は熱心に動画を視聴してあげる。お腹をさすりながら。  さあ、フィナーレだ。  私はコメントを書き込んだ。目立つように投げ銭をつけて。一枚のエコー写真を添えて。 『れいな:りゅうくんとの赤ちゃんだよ♡』
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