もののあはれ

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 僕は桜並木を歩いている。青い空を覆うように大木に咲き誇る薄桃色の桜を眺めながら、淡い甘い香りを吸い込む。  親子連れやカップル、友達同士、皆晴れやかな笑顔を浮かべながら、見守るように咲く桜を眺めている。  やがて広い公園に着くと、人々はピクニックシートやアウトドアチェアを広げ、各々弁当を食べたり酒を飲んだりして過ごす。  はらりと落ちてきた花弁は、広げた僕の手のひらをすり抜け地面に落ちた。
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