憂鬱が融解するばかりの空を見上げて【魂の在り処(前)】

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憂鬱が融解するばかりの空を見上げて【魂の在り処(前)】

 一体、何時間この不穏な空気に揺られていればいいのだろうか? (いい加減、息苦しい……)  車の窓へと何度も放つ視線。この現実逃避も一体、何度目なんだと呆れた溜息が純真の口から滴る。    不動明王のように鋭さを際立たせた力帆の横顔。これで数時間も無言を貫いているのだから、純真からしたら溜まったものじゃない。 (頼むから、これ以上鼓動を騒がせないでほしい……)  目的地すら、全く予測がつかないドライブ。しかし、力帆自体が道を悩む様子は一切無い。 (この先、絶望しかないのは気のせい?)  自ら吹っ掛けた喧嘩。切り開いたと言うより、無理矢理抉じ開けた道。まさか、こんな展開になるとは思っていなかった……と、純真は自分の後先見ずの行動を後悔し尽くしていた。
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