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こんな孤独、耐えられる? 肉体と精神が乖離しちゃって、まるで幽体離脱のように自分の姿を見つめてる。所謂、客観視ってやつかしらね。
そうすると、私は穢らわしいしかなくなっちゃって……純粋無垢、清廉潔白、そんなもの──私と言う存在には、何一つかすりもしない。
性の駆け引きが恋の始まりだとばかり思ってた。ううん……昔からね、そう思い込むことでしか、愛情とか存在意義を得られなかったから。
私は生まれたその日から破棄が前提のお人形で、物心がついた頃にはそれ相応の扱いを受けていたわぁ。
刀工の職人さん達や、当主様に毎晩暴行を受けては身体を痣だらけにして……毎朝、血尿や血便が止まらなかった。
トイレなんてね、倉庫の片隅に廃棄された釜に猫の砂をしきつめられて、そこでしろって教育されていたの。その様子を隠しカメラで撮られていたみたいで、私の排便姿は闇市で、それはそれは高額な値段で取り引きされていたみたいよん。
私はこの人達のストレスの捌け口。それ以上でも、それ以下でもない。だから、大した自我なんて生まれようもなかった。
せめて、ある程度の痛みから逃げられるように、鉄を舐めながら男の悦ばせ方を必死に学んだわぁ。あの時既に、血の味なんて慣れていたしね。鉄も同じようなものだって、毎朝かかさず歯磨きのように鉄棒を口に含んでいたのよ。
するとね、初めて当主様が悦んでくれたのよ。いつも厳しい顔をして、最早無で私に暴行を加えていたあの方が──初めて。私の舌先で『あぁっ……』って、甘く吐息を震わせたの。
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