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中編
俺はミズキの後をついて行く。そして、学校の裏側を流れる川へつく。
「河原に呼び出されたのか……」
川の沿って高い土手がある。土手の上から、川を見下ろした。土手下の川沿いの道にイーチが見えた。
「もう来てるな」
「うん」
イーチが俺達に気が付き、片手を少しあげた。
イーチは手を上げただけでもカッコよかった。
――俺は敗北感で一杯になった。
(手を上げただけでカッコいい男がいるんだぞ。どんだけ世の中不公平なんだ)
「行って来いよ。俺はここで待っているから」
するとミズキが俺の袖を引っ張った。俺はいきなり袖を引っ張られて、バランスを崩して土手から落ちた。
「あぁぁぁぁぁぁ」
俺は、俺に運動神経のないことを恨んだ。俺は無様に土手からイーチの直ぐ側まで転げ落ちた。これが運動神経抜群なら、バランスを崩しても土手から落ちなかったはずだ。もしくは途中で止まったと思う。
――実に無様だ。
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