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リアムが出してくれた底の深いお皿に、私がスープを入れる。その間にリアムはパンをトースターに入れて焼いてくれていた。テーブルに並べて二人で食べ始めた。
美味しくできて、二人で「美味しいね」と言い合えるだけで幸せを貰える。
リアムのおかげで今日はずっと心が潤っているな、なんて贅沢なんだろう___。
スープを食べながら、ふと冷静になって朝読んだネットの記事が頭を過ぎる。目の前で一緒に作った野菜スープを食べているこの美男子は、私とは住む世界がまるで違う御曹司だったんだ。優しさについ甘えてここまで来てしまったが、これはよくない。
私なんかが相手をしていい人じゃなかった。今日は普通に楽しんじゃったけど、これで最後にするんだ。強気でお断りをするんだ__!
笑顔からしっかり真顔を作り、背筋をしゃんと伸ばした
「あの……、リアムさん。話したいことがあります。」
「……?」
「えっと……、あなたがとても凄い人だって知らなくて___、なんかアメリカで大きい会社の御曹司……なんですよね?」
「…………オンゾウシ……?」
ぱっと、言葉が浮かばないらしい。
「えっと…………ほら、大きな会社の社長とか貴族とかの息子のことです」
「____なるほど。そういう意味ならそうですね」
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