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離れてから、軽く頭を下げつつそういうと、頭をポンポンとまた優しく撫でられた。気恥ずかしい気持ちになる。
「本当にラファエル様みたい……。引き続きお世話になります」
リアムの優しすぎる対応は、経験値のない私には勘違いする要因になる。笑顔にしたいという気持ちで私の恋愛指南をしてくれる。それはただの暇つぶしかもしれないし、気の迷いかもしれない。
だから、この人に好かれてるとか____傲慢な勘違い、ダメ絶対。そう自分を咎めた。
ソファから立ち上がり、コートを着てリュックを背負った。帰り支度を済ませ玄関で靴を履く。
「また遊びにおいで」
玄関前でリアムは私の頭にぽんと手をおいていた。
「うん、家についたら連絡するね」
バイバイと手をふるために上げた手に、タッチをされた。破壊力、この人の破壊力は計り知れない……
リアムの家からでて、駅まで歩いていく間もハグした感触が残っていて、思い出すだけで顔が火照り上がってしまった。
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