●お礼のハグ

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 スープを煮込みはじめしばらく待っている間に、まこはスマホをスクロールさせて、髪型の画像をじっと見ていた。  聞くと明日美容院に行く予定らしい。ヘアスタイルを悩んでいるらしく、カラーリングされた髪の画像を見比べてはうーん……、うーん……と、考えていた。  覗き込んでみると、コーヒーに多めのミルクを混ぜたような淡いラテ色の髪色が目に止まった。スマホに視線を向けているまこを見て、想像すると似合いそうだ。 「これ可愛い。似合いそうだね」 まこは画像を押してじっくり写真と文章を読んでいた。 「いいね。トレンドらしい___うん、この色にするよ」 そういって、スクリーンショットをして保存していた。 「ボクの好みでいいの?」 「うん、私もこの色いいな、って思ってたし」  軽い返事に驚く。好きでもない男の意見を、こんなに素直に取り入れるなんて、好意を持たれていると普通は勘違いされてしまう。  心配になるなりきっとこの子は気づいてないだけで好意を持たれることは往々にしてあったんだろうな。かなり鈍感な部類の女性らしい。  でも、少し………いや、かなり嬉しい。  「___なるほど。まこの好きな髪型は?」  まこが好きな男性の髪型を聞いてみた。 「え?うーん……ショートかなぁ?」
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