●向日葵のような笑顔に恋をした

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 そんなことを思い出し、近くにあった本屋に入る。店内は漫画ばかりが沢山あって、頼まれていた漫画はすぐ見つけることができた。購入してから外に出る。  少しお腹が空いてきたので、スマホで時間を確認するとバッテリー残量は3%ほどになっていた。地図や店を探すのに使っていたから、かなり消耗が早い。  充電器はリュックに入れてあるはずだと思い、立ち止まりリュックを下ろした。しゃがんでチャックを開けて中身を確認するが見つからない。  スーツケースの中に間違えて入れたんだろうか?ランチの店も調べたかったのに、どうしたものか……。 そう思っていると、後ろから肩を叩かれた。 「……あれ、お兄さん!どうしました?」  見上げると、そこには制服姿の女の子がいた。黒髪をポニーテールにして、一重の大きな瞳がじっとこちらを伺っている。  振り返った瞬間は、スローモーションだった。その子を見ると、世界がより鮮やかに色づいたような、そんな感覚がした。とてつもなく惹きつけられて、心に衝撃が走る。  まさか、ありえないだろう。  女性とはそれなりに付き合ってきたけれど、こんなに惹きつけられたことはない。 「………wow」  思わず声がこぼれて、その女の子は驚いた顔をしていた。
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