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「あれ……バレて……」
「はい、一瞬だけ視線合いましたね」
「すみません!」
怒られてると思ったらしい。立ちあがって頭を深くさげようとするのを止めた。謝ってほしいわけじゃない。怒った顔してるように見えたんだろうか。
「あなたには……、好きな人がいますよね。”ソータくん”……でしたか。でも、経験値が足りない。女としてみてもらえない。足りないなら、補えばいい。ワタシで経験値を補いませんか?」
昨日酔ったまこが発した言葉を使って、誘ってみた。酷いやり方なのは、重々承知している。ただ、隣にいてみたいと素直に伝えたところで、まこが断ることは、なんとなくわかっていた。
「で………でも、利用するなんて、リアムさんに失礼すぎます。無理です」
やはり、食い下がってくる。
恋愛に対してこんがらがった卑屈な感情を持っているのは、昨日で理解できていた。断られても、簡単に引にさがることはできない。もう見つけてしまったんだから、もっと知りたいと思うのは当然だろう?
「………昨日のお礼は、この提案にOKをいただくことでどうでしょうか?」
お菓子も謝罪もいらない。ただ君の隣にいることを許して欲しい。
これが、かなりです強引な手段だということはわかっている。
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