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こんなことをしなくても、ゆっくり段階を踏んで関係を築いていけばいい。でも、それだと彼女の視界には映り込まないような気がした。
「リアムさんのメリットは?こんな変な女を相手するよりも、貴方はもっと艷やかで美しい女性が合ってますよ」
こうやって、僕を牽制してくることに対して胸がきゅっと締め付けられているなんて、目の前で戸惑った表情をしているまこはきっと思っていないだろう。
「…………私のメリット……、あなたの隣にいられること……ですかね」
それだけが望み。まこのことをただ知りたい。何故かまこのことを知っても、幻滅するような気がしない。
「隣にいられるのがメリットですか?」
「……はい。利用するというよりも、指導すると考えてください。どうですか?」
まこは、下を向いてしばらく考えていた。なにかひっかかることがあるらしい。
「不安なことはありますか?」
悩む仕草をしてるような気がしてそう尋ねた。不安があれば潰していけばいい。
「…あの……、具体的に何をするんですか?」
「大体はデートですかね」
「その、身体的な接触とかはありますか?」
「ことと次第によりますが、あなたが望まないのにキスしたり、夜を過ごしたりはしませんよ。誓約書、書きましょうか?」
そういうと、まこはなるほど、と声を漏らし、背筋をしゃんと伸ばして僕を真剣な顔で見つめてきた。
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