私と掛け合わせたらいけない人

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 スマホの画面で時間を見ると、待ち合わせ5分前だった。目が合うとにこっと微笑まれる。二週間ぶり二回目の実物のリアムだった。  コートの下に見えるパーカーは同じ白色。そしてハーフアップがお似合いだった。ここでまさかパーカーがペアルックのようになってしまうなんて……。意図してないけど、とてつもなく恥ずかしい。 「パーカー似てる。お揃いだね」 「いやはや、まさか被るなんてお恥ずかしい………」  顔が真っ赤に火照っていき、手を頬に当てていると、片方の手取って握られた。  ”世界のイケメン御曹司”という言葉が浮かんできた。日本でなくて、世界という単語がもう規格外。そして、ラファエル様とそっくり。  そんな人が私の顔を覗き込んでくることに耐えられず視線を泳がせる。 「どうして?ペアルック嬉しいよ。仮でも恋人なんだから」  優しくて包み込むような微笑み。恋人という言葉を聞いて、今日で終わらせることを告げなくてはと思い出した。 「あ、その話……「時間がせまってるからいこうか」  映画の上映時間ぎりぎりで、手を引かれて歩き出した。
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