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東口からすぐ目の前にある映画館に入る。チケットはリアムが2枚取っていて、発券もしてくれた。その姿を後ろから眺めて待つ。
映画から出てきたような人が映画館にいて、私と一緒にアニメの映画を見ようとしてる。それってなんだか面白いと考えながら、じーっとリアムのことを見つめていると、私の方に戻ってきてチケットを一枚渡された。
「はい、チケット。ボクになにかついてる?」
伺ってくるので首を横に振る。
「ううん」
「そう?」
行こうかというので、先にポップコーンを購入したいと申し出た。フード販売のれじに並び、ポップコーンとジンジャーエールを購入する。受け取ると、上映シアターに移動する。
「ポップコーンは二人で食べようね。………ていうか、自分のこと”ボク”って言うんだね?この前電話してるときに思ったんだ。一人称ってどうやって決めてるの?」
「……”ワタシ”が便利な代名詞だから仕事や初対面、畏まった場面のときは使ってるよ。でも”ボク”って使う方が自分らしいのと、日本の友達がそう自分のことを言ってたから、気を張る必要のないときは”ボク”って使うんだ」
「………じゃあ、私は心を許してもらえてるの?」
「そうだね、もちろん。許しているよ」
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