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その言葉は、素直に嬉しかった。
リアムは、人との心の距離を取りそうなタイプに見えたけど、短期間でやりとりを沢山したからなのか、私は気を張らなくていいうちの一人になっているらしい………のかな?
「この前、電話で”ボク”って使ってて、なんか嬉しかったよ」
「ボクって言ってた?」
「うん、録音したかった」
リアムはくすくすと笑ってる。冗談だと思ってるだろうけど本当に録音したかった。
シアターの中に入りチケットを確認すると、後ろから三番目の真ん中の2席だった。少し人が入っている。階段を登り、まだ誰も座ってない列で番号を確認して腰掛けた。上映時間まであと五分ほど。
「まこは、ボクにどのくらい許してる?」
鞄をおくと、リアムはポップコーンとジュースの入ったトレーを二人の間にある肘掛けに置いてくれた。
心を許すと言われて、考えてみた。私は誰に対しても、割とオープンであることを自覚している。それでも、リアムとここ2週間のやりとりでアニメの話も沢山するくらい心を開いてる。
「ほぼ全開だよ。そうじゃないと、あんなに細かくアニメの話をしたりしないよ」
「……それは光栄だね」
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