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”あなたを意識してました”なんて、恥ずかしすぎて言えるはずないよ。
「あの、出ようか」
そういって映画館をでたけれど、すぐ立ち止まったリアムはスマホを取り出していた。
「何が食べたい?」
自分で一緒に食べたいって言ったのに、結局何も考えてなかった。どうしよう……、本当はレストランよりも手作り料理が良い。
最近カロリーメイトとか、栄養補給ゼリーくらいの軽食ばっかり口にしていて、無性に手作りの料理が食べたい気持ちがあった。お店の味じゃない、普通の手料理が食べたい。美味しくて温まるような料理。そうすると……、食べるものが思い浮かばないし、もう解散かな____。
関係を断るつもりだったし。
「ごめんね、リアム。ずっと忙しくてまともにご飯食べてないから、お店の料理じゃなくて普通に自分で作る料理がいいんだ。だから今日のところは解散……?でもいい……?」
そう提案すると、とてつもなく寂しそうな顔をしていた。わかりやすく落ち込んで、何この人可愛い
。情にほだされそうになる。
リアムは、スマホをコートのポケットしまって肩を落としていたが、なにか思いついたようで明るい表情に変わって私の顔を見つめてきた。
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