♡エピローグ♡

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 ♡  「何も……ない?」  「ああ。まったく問題ない。健康体だね」      未だに腫れが治まらないカゲの頬を気にしながら、北白河が言った。  数日前、極秘でカゲの健康診断が行われたのだ。  無論、「近いから」と言うのは恥ずかしいので、自分も内緒で健康診断をしてほしいとだけ伝えた。  絶対にどこか引っかかると踏んでいたのだが……。  何も問題がないのでは治療することもできない。  「何か、心配事でもあるのかい?」  北白河がカゲと対面になるように身体の向きを変えた。  しっかり話を聞き取ろうとする姿勢は医者の鑑と言っていい。  そしてイケメンだ。  「い、いや。何でもねえ」  頻尿だから、などと言えるワケがなかった。  西の空に白い月を見ながら歩く。  空の色は、彼の心持ちを現すかのように不穏であった。  (結局、俺は死ぬまで激チカなのか)  ならば、この身体の特性を活かして泥棒稼業に邁進してやるか。  居候先での遺産相続が不可能となった今、せめて他のお宝はゲットしなければ。  彼は悲壮な覚悟をもって、明日からも胡桃沢家に仕えるのである──。  そしてまた、めくるめく騒動に身を投じる羽目になるのだが。  それはまた、別の機会に。  ◇お医者さま編◇完  次回は🌹お花屋さん編🌹  お楽しみに♡
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