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袖を濡らした理由を、また夜つゆのせいにした。ちいさな嘘が、静かな雨の音に流されてゆく。ただ、さらさらと、季節は過ぎゆく。目前にひろがる一面の黄金色をひとり、眺めるままに。 「秋の田の仮庵の庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ(天智天皇)」
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