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薄桃色の花は降り、雨とともに舞い霞む。それをぼんやり眺めながら飴色のギターを鳴らしていると、今日も洗濯場の方から、ちいさく、可愛らしい鼻歌が聴こえてくる。なんでもない、いつもの日曜。ばれないようにこっそり呟く。「花は、今でも美しい」 「花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに(小野小町)」
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