『君の目を見つめると』

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『君の目を見つめると』

「あ……」 君の目を見つめると、君はすぐに逃げてしまった。 少し残念に思う。 君の目はとても綺麗だから。 「おーい、待ってよー」 普段ならそのまま気にしないけれど、今日はなんとなくもう少し眺めていたくて君を追いかける。 なのに君は私のことなんか振り向くことさえなく、逃げる。 でもここは広くもない一人暮らしの1LDK、すぐに追いつくことができるのさ。 「ねぇ、もう少しだけ見せてよ」 ご機嫌を伺うように頭を撫でてみると、気持ちよさそうに目を瞑ってその場に座った。 しまった、これじゃあ目が見えない。 「まぁ、いっか」 またいつでも見る機会はあるし。 今はもう少しだけこうしていよう。 「にゃー」 うん、君ももっと撫でろと催促しているみたいだしね。
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