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死んだな、と思った。
でも最期にアイツに会えた。
言いたい事も言えた。
だから後悔なんてないと思ってた。
けれど、目が覚めた時にまだ自分が生きている事を知った。
何故なら俺の前にアイツが居たから。
肩で息をしている状態なのに、俺を怒ってくれるアイツが。
必死に“俺が生きてて嬉しい”なんて怒ってくれる。
俺の心にふつふつと愛しさが募って、顔がニヤけた。
そしたら今度は「何笑ってるんですか」って怒られた。
ホント、変わってねぇなぁコイツ。
外見だけはすっかりイマドキの若者になっちゃってるくせに。
「なぁ」
「…何ですか」
「やっぱり現在進行形でもいいか?」
「は?」
「俺のサイゴの言葉」
「……やっぱり貴方はバカです」
その先の言葉は、塞がれて言わせてもらえなかった。
END
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