はじまりの赤

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嫌なヤツだな できれば出会いたくなかった 魔物との遭遇に舌打ちする間さえ 闇きつねは与えてくれなかった。 ただ、闇きつねは群れで動く魔物だが 単体で遭遇した事だけは リガロたちには運があったと言えよう。 それでもリガロたちはワーラビット 生産にしか的さないことが多い 初期能力値の偏りがある。 しかも、スタートのガチャにおいて 最低ランクの銅色のガチャだ。 トワイライトの中は住み分けができていた お金に余裕のある者がスタートのガチャで 好条件でスタートする。 夢にまでみた高位の魔術師や種族として 人気の高いエルフ ファイターも一言では言えないぐらいに 魔法剣士、ドラゴンライダーなど 人気のあるジョブは最低でも銀のガチャ から出てくる仕組みになっていた。 その事に人々が気づくまで そう時間はかからなかった。 どこの時代にも搾取があったように ここトワイライト内でもそれは起こるようになった。 いわゆるPvPだ。 プレイヤーは魔物を狩るだけでなく プレイヤーを狩ることもできる 運営側はプレイヤーを狩る行為を 軽く扱った。 個人の自主性を重んじて 魔王を倒すようないわゆるメインストリートを廃してより自由度の高いゲームとした。 バーチャル空間ながら現実を越えるような 感覚になる。食べても飲んでも 人から奪っても そして運営側として軽いペナルティを 用意する以外何もせずに プレイヤー個人で強くなって行き 搾取されぬ側になることも このゲームの楽しみの一つだと 位置づけた。逆に搾取を正義にできるぐらいの強さがあればより楽しめるゲームだと だが、それではパワーバランスが悪くなる 皆がPvPを行えないように 持つ者たちには金銭を払うことにより より与え、持たざる者はより奪われる その弱肉強食世界を弱者をある程度増やす ことでバランスを生み出した。 金銭次第ではリガロたちのような 弱者を狩られる側をスタートのガチャ であえて作っていたのはそのめだ。 ならば不平等ならば トワイライトをプレイしなければ良い! だが、それはゲームの外でも収入の安定が 無くなる事を意味した。 経済活動の中心をトワイライトが 飲み込んでしまったからだ  企業も個人もこぞってトワイライトの中で 新しい商売などを展開するようになり 中にはゲーム内で大金を手にして ゲーム外でも億万長者が出るようになった また、その逆もあった。 ゲームの外の仕事よりも断然!率の良い ゲーム内の仕事、その考えが定着して しまい。ゲーム外の仕事のほうが 高学歴や能力を有するといった 構造ができてしまった。 リガロにしても外の世界にさしたる 蓄えも仕事らしい仕事も無く 無論、高学歴でもなければそれを補う コネもなかった。他のワーラビットたちと 変わらずに戦闘系の職や魔物におびえながらも1日のほぼをトワイライト内で 生産職ギルドから回される クエストをこなしては日銭を稼ぎ ゲームの外でも換金して 生活していた。 需要と供給、生産者と消費して楽しむ者のバランスも保たれていた。 ワーラビットたちにとって生産は苦もなく できるが、戦闘経験値を貯める場所も力も無いために生産職系のレベルは上がっても 戦闘レベルは上がらなかった。 それゆえにリガロとカロンだけで 相手をするには闇きつねは ギリギリの魔物であった。
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