4 吉兆ここに極まれり

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 神をも射殺すような鋭い視線を大に向けるが、大は気にする素振りもなく、門からギリギリまで体を乗り出して私に手招きをしている。  真剣で必死な大の表情。あれ、本当に私が危険なのかな、なんて思いがほんの少し湧き上がる。 「ママ—」  大の後ろからちょこんと珠が顔を出した。  かわゆい  うっかりそのかわゆさにノックアウトされそうだったが、よく見ると珠も必死の表情でママと呼んでいる。  珠が私を心配している。つまり、私は今、危険ということだ。大のときにはほんの少しだけ湧いた感情が、珠を見た瞬間に確信に近い感情になった。 「珠〜」  私は珠に向かって走り出した。必死だからだろうか、いつもよりも歩幅が大きくなっているように感じる。  進行方向、私の両眼は珠をフォーカスしているが、どうしても視野の関係で大の表情も確認できてしまう。  なぜニヤけてるんだ。  危険というのは嘘だったのか? いや、珠の表情を見る限りそんなことはなさそうだ。大はなんでニヤけてるんだ? 「沙耶ちゃん、気をつけて〜。そんなに大股で走るとスカートが捲れ上がって、おパンツが丸見えよ〜」  背後からコクアさんの声が聞こえる。おパンツが丸見えって言った?  私は走りながら、自分の下半身に目線を移した。  激しく縦に裂けたタイト気味のスカート。通りで足が遠くまで出せたわけだ。そして、走るたびに自動で上にたくし上げられていくスカートによって、今の私はおパンツの下半分が丸出しになっている状態。 「なんじゃこりゃあ」  往年の刑事ドラマの名台詞が無意識のうち口から飛び出す。
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