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改めて、その美貌をガン見してしまう。うっすらと汗をかいたその姿も神々しい美しさだ。
「はい、超サイコーでした」
こんな超絶美人なコクアさんとも出会えたし、珠の座敷童子パワーに感謝。
「ねえ、せっかくだからどこかでお茶でもしていかない?」
おお、なんとコクアさんとお茶。こんな超絶美人とお茶。帰りしな、ヒマラヤの塩を珠のために買って帰ろう。なんて余計なことを考えていたら、他のお客さんにぶつかり後ろに転びそうになった。
「危ないよ」
後ろにいたコクアさんが私の体を受け止めてくれたことで、転倒しないで済んだ。
「沙耶ちゃん、意外とおっちょこちょい」
そう笑いながら、はい、とコクアさんが手を差し伸べてきた。
「転ばないように、あたしが手を繋いでいってあげるよ」
コクアさんと前後を入れ替わり、手を引かれてライブハウスの階段を上がる。握られている手も幸せを感じるが、コクアさんのミニスカートから伸びる綺麗な脚に見惚れてしまう。どうやったらこんなに綺麗な脚になるのだろう。コツがあるのなら教えてもらいたい。
階段を上りきり、道路に出ようとしたとき、パンッパンッといきなりクラッカーが鳴らされた。
「おめでとうございます。今日のライブ、この階段を上ってきた百人目のお客様に、サプライズプレゼントなんて企画をしていました」
サングラスに帽子、マスクの男性が声をかけてきた。
なんだコイツは、そう思って顔を覗き込んでハッとした。奏詞じゃん、なに、私、奏詞に話しかけられてるの? サプライズプレゼントって言っていたよね。なになになになに、ヤバい心臓がもたない。
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