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しかし、私も珠のおかげてラッキーだけれど、コクアさんも負けず劣らず強運の持ち主なんだろうな。大と同じように、他の神様も美人には弱いのかしら。
そんなことを考えながら歩いてると、あっという間に家の門の前に着いた。
「ああ、ここがうちなんです。大きいんですけれど、古くって」
「あら、古さは趣ですよ。素敵なお住まいですね。それに同居人の方々も」
同居人? あれ、私、気がつかないうちに大と珠の話したかな?
「あれ、私、その話をしましたっけ?」
「だってほら、門のところからもう神気が溢れ出ていますもの」
神気を感じている。なんと、超絶美人にはそんな特殊能力まで標準装備なのか。
「沙耶、早くそいつから離れろ」
大の怒号が私の耳に届く。なんで怒ってるのよ。さては、コクアさんの下着を見ようとしているのか。それでスイーパー的なポジションにいる私が邪魔だということか。何と小癪な。
「コクアさんのパンツは私が守る」
「なにバカなことを言っているんだよ。沙耶が危ないんだ。早く離れろって」
私はコクアさんを守るように大きく両手を広げて立ちはだかるように飛び出した。
ビリッ
何か布のようなものが裂ける音。人生で何回か聞いたことのある音だ。続いてやってくる股間の解放感。
「沙耶ちゃん、もしかして破けた?」
コクアさんが心配そうに訊いてくる。振り向けない、振り向いてコクアさんを見たら泣いてしまうかもしれない。破れたスカートが不憫なのか、破いた私が不憫なのか。いや、違う。
「大、あんたのせいだからね」
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