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いや、グッジョブじゃないでしょうが。
「だから、早くそいつから離れて。幸運を吸い取られちゃうよ」
大の言葉を受けてコクアさんの方を見ると、困ったような表情を浮かべている。
「コクアさん、本当……なの?」
相変わらず困ったような表情をしながら、コクアさんはごめんね、と呟いた。
超絶美人のコクアさんが貧乏神だったなんて。大の言う通り、離れないと私の幸運がどんどん吸い取られてしまうのだろう。
でも……
「無理。一緒にMoonCatのライブ楽しんで、お茶して、たくさんおしゃべりして、一緒にいた時間は短いけれど、私、コクアさん好きだ。だから、貧乏神だとしても友達でいたい」
例え、珠がもたらしてくれる幸運を全部吸い取られても、それでも私は不幸ではない。
「ちょっと〜、沙耶ちゃん、マジサイコーなんですけど〜」
いきなり聞こえてきた、めちゃくちゃ陽気なテンションの声。思わず声のした方を振り向くと、キラキラヒラヒララメラメな服を着た星型のサングラスをかけた女性がコクアさんの隣に立っている。ダメだ、クリスマスツリーを着ているようにみえてしまう。
「あたしの大切な家族を同じように大切に思ってくれるなんて。もうもう、ハッピーラッキーすぎて、今夜はオールナイトよ」
えーと、誰か通訳してください。大も目を丸くしながら、少し引いているように見える。
「もう沙耶ちゃんサイコーナンバーワンよ。ねえ、コクアンちゃんもそう思うでしょう?」
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