5 お茶汲み姫の憂鬱

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「何でよ。大好みのかわいい女の子じゃない」 「アイツは「あの〜、大丈夫ですか」  私の声が聞こえたのか、居間の方から心配そうな声が聞こえてきた。 「あっ、うん、大丈夫。用足したらすぐに戻るね」  そんな言葉を返している内に、再び大は姿を消していた。あの子を追い出せみたいな事を言っていたな。もしやまた、妖怪や死霊の類いか。マジ勘弁だわ、余計にお腹痛くなってきたよ。  用を足して居間に戻ってくると、珠と遊んでいる姿が目に入った。 「珠〜、迷惑かけちゃダメよ」 「いえいえ、こんなにめんこい童子(わらし)がする事、全てが慶びですよ」 「すいません、珠は沖縄生まれのせいか暑さに強くて元気なんですよ」  珠の正面に正座して、楽しそうに手遊びをしている。うーん、どこからどう見ても危なそうな存在には見えないし、珠も懐いているしなぁ。 「珠、すごい懐いてるね」 「とてもかわいらしい座敷童子さんは珠と言うお名前なんですね」 「でしょ。座敷童子とは思えないこのかわいさでしょう」  そう言ってから気付く。なんで珠が座敷童子だとすぐに分かった? 私が言ったか、いや言っていない。珠をひと目見ただけで座敷童子だと分かるなんて、人間じゃないか、所謂霊能力者か。どうかお願いします、人間であって下さい。でも、普通に仕事してるんだよな。妖怪や死霊がOLできるとは思えないし、何より珠が懐いているし、やっぱり人間の霊能力者だよね。
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