54人が本棚に入れています
本棚に追加
滅多に便秘などにならない健康体の私だったが、なぜかここ一週間全く出ていなかったのだ。それが今、怒涛の勢いで迫ってきていた。しかし、今はドライヤーで乙女の命とも言える髪の毛を乾かしているところ。いや、仕方ない、今優先すべきなのは選ぶまでもない。
グルグルキュルルルルル
「はぅ」
急かすように響く音。私は刺激を与えないように、ゆっくりそーっとトイレに向かった。
トイレのドアを閉めて、下衣を下ろし、さあ準備万端整った。カモン、私の一週間分。
「沙耶、大丈夫か」
「イヤァァァァ」
トイレのドアに向かって、真っ正面に座った私の膝くらいの高さで、ドアから上半身だけすり抜けてさっきの超絶イケメンが声をかけてきたのだ。
パンツを下ろして便座に座る私、ドアから上半身だけ出して私を見上げる超絶イケメンの自称神様。こんな超絶イケメンと見つめあっているのに、私の心はドキドキどころか、もはや怒気怒気だ。そして驚いた拍子に急激に引いていく、私の一週間分。
「何してくれんのよ。私の一週間分が。私の大切な大が。どうしてくれんのよ、私の大を!」
「ヒッ」
私の怒気怒気が伝わったのか、軽い悲鳴とともに一瞬でその姿を消したセクハラエロ神。
もはや戻ってくることのない大の気配を探しながら、私は項垂れつつパンツをあげた。
目的未達成のまま中途半端な感じで居間に戻ると、見事な土下座をしている煌びやかな服を纏った超絶イケメン。しかし、騙されてはいけない。よーく分かったのだ。この超絶イケメンの内側はエロで満たされていることを。
「ちょっと、ねえ、あんた、えーと神様?」
最初のコメントを投稿しよう!