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いきなり姿を現した大を見て筒姫が固まっている。いくら神様でも、急に目の前にヌーンって出て来られたらビックリするよね。
「あっ、あなた様は」
筒姫が何か言おうとした時、大が筒姫の次の言葉を手で制した。
「大、あの神様ってどういう事なの」
「言葉の通りだよ。コイツは神だ。四季の神の一人で夏を司ってる」
夏の神様!
そんなのいたんだ。初めて聞いたよ。妖怪大図鑑じゃなくて、神様大図鑑を買ってこよう。
「他に春の佐保姫、秋の竜田姫、冬の宇津田姫がいるよ」
「あっ、佐保姫と竜田姫は聞いた事ある」
「ああ、二人は有名だからな」
「そうなんです。同期の佐保姫ちゃんと竜田姫ちゃんはみんなに名前も覚えてもらって、チヤホヤされて。私と宇津田姫ちゃんは名前すら覚えてもらえなくて。あげく、一年中、春と秋だけでいいとか言われて」
うっ、すいません。ついさっきそんな発言をしちゃいました。海水浴に花火、夏祭り、夏大好きです。
「そういうストレスで炎帝の所から逃げ出してきたのか」
「はい。何となくこちらの方角に居心地の良い空気を感じまして」
「珠の神気が抑えきれていないからだろうな。ていうか、これ見ろよ」
大はそう言って、テレビの方を指差した。テレビでは最近の猛暑で命を落とす人や作物が取れなくなったりしているニュースが流れていた。
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