障害者について思うこと

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障害者について少し書きたいと思う。 私の実妹は知的障害者で、両親が他界してからは、幾つかの段階を踏んだのち、ずっと施設に暮らしている。だから私は幼い頃から、障害者をどう思うかについてとか、偏見とか、そういった観点からは既にかけ離れた世界の中で暮らしてきた。 当たり前にそこにいて、共に生きていく存在だった。 けれど心ない声が聞こえてくる。障害者は税金を使って暮らしているから排除すべきだとかいう人がいたり、見た目や言動について揶揄されることも多々あった。障害を利用されて、実家の金品を奪われたことさえある。 そういうことをする人は、自分が将来障害者になる可能性があることを考えていないのだ。人間なんて、いつどうなるかわからない。 そして、実際に障害者になると、今度は社会保障が少ないとか、世間はなんて冷たいんだ、なんて言って騒ぎ出す。 なってみないと分からない、これは確かに真理なのだ。 でも、「立場になって考えてみる」ということを、止めてはいけないと思う。 それは私だって、例えば性的マイノリティの方の気持ちを完全には理解できないし、当事者でもない人間が、簡単に理解していると言ってしまうことにおこがましさも感じる。けれど、その生きづらさ、苦しさを想像してみること、思考することだけはしていこうと思っている。 つまり、思いやりとは想像力だ。
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