一章

9/24
前へ
/41ページ
次へ
怪訝そうな顔を浮かべたあと、ソイツは。 「うちの学校に卒アルあるんよ? 去年の卒アルに、自分の名前載ってたんやで!? 何で嘘ついて小学生のフリしとるん!?」 ああ、何だそんなこと。 「……や、やめて」 「きーくん?」 「……きょ、きょーちゃんは……ぼ、僕の親友だから」 声を震わせながら、そんなことを言う。 「……だ、だから……へ、変なこと言わないで」 ただ真っ直ぐにそう言った和輝。 「先生……」 「そういうことだ。で? 俺たちの紹介は全員終わったぞ。テメェは名乗らねえ気か? まあ名乗られても干渉も何もしねえけど」 和紗に目を向けると、わかったように頷いた。 「……こんなことするだけ時間のムダか。せっかく成り立っていたのに、俺はテメェが入ることを許さん」
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加