一章

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「……安心しな。俺は理由がどんなであれ、任務は遂行する。組織のルールには従うさ。さっさと終わらせるだけだ。期待は裏切らない。逃げ出すまではな」 「言ってくれるじゃねえか」 「……行くぞ」 車内は静かな空気が漂う。 まあこんな時間だしな。 普通に生活してる人なら、とっくに寝てるだろ。 「…………」 厄介なことになりそうだ。 「…………怖いのか?」 「わからない……」 「お前には頼りになる兄がいるだろ? お前のこともちゃんと守ってやる」 「うん」 数秒も経たないうちに、寝息が聞こえて来た。 「ん……」 「起こしたか? 悪い……」 「んーん……」 数分後、ガンッという音と共に全員目を覚ました。 「毎回思うけど起こし方が雑」 「……任務にそんなもの関係ねえよ。ほら、早く出ろ。そんなとこにずっといやがったら任務遂行出来ねえだろ」 身動き取れない、この車内。 行くまでに身体がバキバキなのは言うまでもない。 「ふふーん、さすがリーダー」 「身体が痛い……。木崎、引っ張ってぇ」 「この中でおぶさるなんて無理に決まってんでしょ。痛っ!」 「とか言って持ち上げちゃうくせにー。優しいんだね、木崎」 「うるさいな……。大体、動けないから引っ張ってとか言ったの真咲でしょ……。そしたら乗って来るから!」 「はいはい、ツンデレなんだね。わかったわかった」 コイツら……。 「兄弟愛はいいから、退け!」
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