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「……安心しな。俺は理由がどんなであれ、任務は遂行する。組織のルールには従うさ。さっさと終わらせるだけだ。期待は裏切らない。逃げ出すまではな」
「言ってくれるじゃねえか」
「……行くぞ」
車内は静かな空気が漂う。
まあこんな時間だしな。
普通に生活してる人なら、とっくに寝てるだろ。
「…………」
厄介なことになりそうだ。
「…………怖いのか?」
「わからない……」
「お前には頼りになる兄がいるだろ? お前のこともちゃんと守ってやる」
「うん」
数秒も経たないうちに、寝息が聞こえて来た。
「ん……」
「起こしたか? 悪い……」
「んーん……」
数分後、ガンッという音と共に全員目を覚ました。
「毎回思うけど起こし方が雑」
「……任務にそんなもの関係ねえよ。ほら、早く出ろ。そんなとこにずっといやがったら任務遂行出来ねえだろ」
身動き取れない、この車内。
行くまでに身体がバキバキなのは言うまでもない。
「ふふーん、さすがリーダー」
「身体が痛い……。木崎、引っ張ってぇ」
「この中でおぶさるなんて無理に決まってんでしょ。痛っ!」
「とか言って持ち上げちゃうくせにー。優しいんだね、木崎」
「うるさいな……。大体、動けないから引っ張ってとか言ったの真咲でしょ……。そしたら乗って来るから!」
「はいはい、ツンデレなんだね。わかったわかった」
コイツら……。
「兄弟愛はいいから、退け!」
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