一章

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「腰痛持ちのオジサン、本当に大丈夫?」 「おい、誰がオジサンだ」 「リーダーに決まってるじゃん。何言ってるの? 寝惚けてんのかなぁ?」 車内にずっと閉じ込められてみろ。 負担が大きいだけだろうが。 「女クソガキ共は、俺や双子について離れんな。和紗と朝兎はいつも通りだ、わかったか」 いつも通り指示を出し、何の躊躇(ためら)いもなく俺は真っ先に歩き出す。 「アイツ一人で何してる……?」 「いつもの物色。リーダーがお見舞いぶちかましたら、僕たちはそれぞれ散る。リーダーの半径一メートルはテリトリーだから僕たちは入ることは許されない」 「僕たちも振り分けしないとね。木崎についていける人はそのまま。和紗は僕と来て。新人とその幼馴染みは分かれた方がいいよ。足で纏いになられたら迷惑」 辺りを見回すと閃光弾(せんこうだん)を少し離れたとこに投げ込む。 爆発音と共に飛び出すヤツらが数人。 いや? かなりの数がいる。 「テメェら油断すんじゃねえぞ」 無線機で連絡をすれば。 『そっちこそ』 『みんな気をつけて』 きさまさくらいだがな。反応するのは。 「半径一メートルは俺のテリトリー。さて、どうしたもんかな」 銃弾をセットすると、静まり返る。 おいおい、このタイミングで? ざけんな!! かかって来いよ!!
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